ランチョンセミナー

ランチョンセミナー

2017-05-25

6月23日(金) 12:20〜13:20

ランチョンセミナー1 300名(予定)
演題 : 言語聴覚士が知っておくべきリハビリテーション栄養の基本コンセプトとピットフォール
演者 : 吉村芳弘先生
(社会医療法人社団熊本丸田会 熊本リハビリテーション病院
リハビリテーション科副部長 栄養管理部部長・NSTチェアマン)
座長 : 三原千惠先生 (医療法人信愛会 日比野病院
脳ドック室長・NSTスーパーバイザー)
講演内容 :
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リハビリテーション栄養(以下、リハ栄養)は高齢者医療の根幹であり、高齢者医療に従事する全ての医療人がリハ栄養のコンセプトを理解し実践する必要があります。言語聴覚士も例外ではありません。リハ栄養とは、スポーツ選手に対する「スポーツ栄養」と同様に、高齢者や障害者が最高のパフォーマンスを発揮するためには、リハと栄養が同時に必要であるという考え方に立つ概念です。具体的には、高齢者や障害者に対し、SGA(主観的包括的評価)やMNA-SF(簡易栄養状態評価表)などによる栄養評価と同時に、サルコペニアの有無、嚥下障害の有無、ICF(国際生活機能分類)について評価を行います。その上で、各項目において個人のパフォーマンスを最大限発揮できるよう、嚥下訓練を含む機能訓練や筋力増強訓練に加えてBCAA(分岐鎖アミン酸)を含む攻めの栄養管理を行うなど、運動生理学と運動栄養学の知見をフルに応用した栄養管理を行うものです。
特に、摂食嚥下障害ではリハ栄養の考え方が重要です。口腔期や咽頭期を含む機能訓練の効果を最大化し、リスクの少ない経口摂取を獲得するには、栄養改善、栄養強化が欠かせません。摂食嚥下障害の主要な原因として脳卒中が挙げられますが、リハ栄養の視点からは「サルコペニア」による摂食嚥下障害の考え方が重要です。サルコペニアとは、狭義では加齢による筋肉量低下、広義では加齢、活動、栄養、疾患による筋肉量、筋力、身体機能の低下を示す概念です。サルコペニアの摂食嚥下障害と診断された場合、最も効果的な治療は、筋肉量増加と栄養改善を目指した積極的な栄養管理と筋力トレーニングの併用です。基礎エネルギーにも満たない栄養管理(例えば1日300kcal以下の末梢点滴管理)では、十分な効果は発揮できないどころか、さらに飢餓やサルコペニア、機能障害の増悪を来してしまいます。
本講演では、言語聴覚士が知っておくべきリハ栄養の基本的なコンセプトと、現場で陥りやすいリハ栄養のピットフォールについて、基礎から臨床応用までお話します。

共催 : ニュートリー株式会社
ランチョンセミナー2 200名(予定)
演題 : 高齢者の摂食嚥下障害と栄養サポート
〜サルコペニアの摂食嚥下障害を中心に〜
演者 : 森 隆志 先生
(総合南東北病院 言語聴覚士)
座長 : 愛知学院大学
牧野日和先生
(心身科学部 健康科学科 講師、言語聴覚士)
講演内容 :
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超高齢化社会の本邦においては老嚥やサルコペニアの摂食嚥下障害といった高齢者で考慮すべき摂食嚥下障害の成因を十分考慮して臨床にあたる必要がある。
サルコペニアの摂食嚥下障害とは全身及び嚥下関連筋群の筋肉量減少、筋力低下により生じる摂食嚥下障害である。脳卒中等の明らかに摂食嚥下障害を引き起こす疾患のない入院高齢者の調査では約30%に摂食嚥下障害を認めたとの報告がある。サルコペニアの摂食嚥下障害に関する種々の報告では最大舌圧の低下や低栄養との関連が示されている。これまでサルコペニアの摂食嚥下障害の定まった診断基準が存在しなかったが、2016年にサルコペニアの摂食嚥下障害ワーキンググループは診断基準を開発しその高い信頼性を検証した。また、サルコペニアの摂食嚥下障害と診断された群は診断されなかった群に比し栄養状態が低値であったことが示された。また、摂食嚥下機能におけるフレイル(虚弱)の状態に相当する老嚥を有する高齢患者に侵襲や安静、飢餓の状態が生じる事がサルコペニアの摂食嚥下障害の発症契機であると提唱されている。
摂食嚥下障害のある高齢者の55%は低栄養のリスクがあると報告されている。また、低栄養の可能性がより高く、筋力の回復を促す必要のあるサルコペニアの摂食嚥下障害の患者における栄養ケアは大変重要であり、臨床における半固形状の栄養補助食品の活用は大変重要である。
本セミナーはサルコペニアの摂食嚥下障害を含む高齢者の摂食嚥下サポートについて紹介するとともに実際の臨床例を提示することで参加者の明日の臨床に役立てて頂く事を目的としている。

共催 : 株式会社明治
ランチョンセミナー3 200名(予定)
演題 : 嚥下障害者の摂食姿勢と食材選択のアップデート
~完全側臥位法と新ゼリー食品が拓く未来~
演者 : 福村 直毅 先生
(社会医療法人健和会 健和会病院
健和会総合リハビリセンター長・病棟医長)
座長 : 藤本 憲正 先生 (社会医療法人全仁会 倉敷平成病院)
講演内容 :
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嚥下障害は加齢や様々な疾患に伴って出現し肺炎、窒息、低栄養をもたらす。多くの方が嚥下障害により死期を早めていると推定される。咀嚼障害など口腔期障害に対する対応が盛んにおこなわれているが、誤嚥を防ぐアプローチが嚥下障害治療の中核をなすことはいうまでもない。また嚥下障害は様々な機能の様々な変化の総称である。機能の変化がどのように嚥下に影響していてどう代償すれば誤嚥を防げるかを分析、推論、証明していく過程が嚥下診察といえよう。
誤嚥が生じる部位は喉頭である。誤嚥を防ぐ保存的介入で代表的なものは重力を用いた代償と調理による代償である。 重力を用いた代償は重力加速度方向に対してどのような姿勢をとるかで食物にどの方向にどの程度の力を作用させるかで決める。極端に言えば逆立ち状態で摂取すれば誤嚥方向と逆方向に重力加速度が向く。様々な障害パターンに対して代償能力が高く導入可能性が高い姿勢を検討したところ咽頭腔を真横にした姿勢が有利であることを突き止めた。これが完全側臥位法である。完全側臥位法はこの条件を再現しやすい多くの工夫を統合した介入手技と定義できよう。
誤嚥予防の観点からの調理を用いたアプローチは食物の性質を限定することが目標となる。嚥下障害患者の多数でみられる偽性球麻痺タイプの嚥下障害では舌運動障害、中咽頭収縮不全、嚥下反射惹起遅延が中核障害となる。これらに対してはその重症度に合わせた付着性、凝集性、変形能が求められる。適応となる食物形態はペースト、とろみが中心となっている。これらの問題点は粒子が細かいため粘膜面に付着して残りやすく、口腔咽頭の残留感が食欲低下をもたらすことである。そこで適度な付着性がありながらも残留しにくい食品としてキッセイとともに「えねぱくゼリー」を開発した。えねぱくゼリーは誤嚥を防ぐ機能を前提とし、さらに残留感を減らし美味しく食べられてエネルギー摂取にも適している。

共催 : キッセイ薬品工業株式会社
ランチョンセミナー4 200名(予定)
演題 : 「口から食べる」に欠かせない言語聴覚士と歯科との連携~協働でおこなう食べるための装具づくり~
演者 : 足立 融 先生
(あい・あだちデンタルクリニック 院長・全国訪問歯科研究会(加藤塾))
座長 : 竹内 茂伸 先生 (一般社団法人山陰言語聴覚士協会 会長・鳥取県言語聴覚士会 会長/
社会福祉法人こうほうえん 錦海リハビリテーション病院 副院長)
講演内容 :
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訪問歯科診療に出かけるようになり20年以上がたちました。この間、生活期での関わりでは、ボロボロになった口腔がほとんどで、義歯を口腔内に戻すだけでも大変な労力がかかりました。回復期ができ、そこでは義歯を早期に改修、口腔内へ戻すことが可能となり、また、その回復ぶりが全身の改善とともにみてとれました。しかし、これは単に発病後からの日にちが短いばかりでなく、言語聴覚士を中心とした病院スタッフの協力により歯科が訪問するまでに、義歯や食べ物を口に運べる口腔環境ができていることが一番の要因です。口が乾燥していれば嚥下困難なことは当然ですし、お楽しみ程度と言えど口腔内が乾燥・不潔であれば味などしません。むし歯で痛ければ、歯周病で歯がぐらぐらしていれば「口から食べること」は前進しません。こうしたことの環境整備なしに、口の問題の解決なしに「口から食べる」ことはできません。 医科歯科連携の重要性は周知のことですがなかなか進んでいないのが現実です。医科歯科連携を進めるにはこの「口から食べる」がKeyで、このKeyを握るのが言語聴覚士であると思います。あくまで口から「飲む」のではなく「食べる」なのです。プロセスモデルの認知が進み「飲む」と「食べる」との違いが明らかになり咀嚼嚥下が注目されるようになりました。解剖学的に歯科がここまで、ここからは医科のようなところがありますが、機能においての線引きはありません。とは言ってもSTとの協働で多くの患者さんを診ていると、「やっぱり歯科は咀嚼をしっかりと診て、その改善を図ることが大きな役割だ」と実感しています。機能に適応した義歯は咀嚼嚥下において装具として大変重要な役割を果たします。こうした義歯を歯科医として当たり前に修理したり作成したりするだけで「口から食べること」に繋げられているのは、言語聴覚士との協働によるからです。この協働の様子をお話しすることで装具としての義歯の重要性について再考の機会になれば幸いです。

共催 : サンスター株式会社
ランチョンセミナー5 150名(予定)
演題 : 電気刺激による嚥下リハビリテーションの新展開~言語聴覚士の嚥下訓練にアドオン!~
演者 : 福岡 達之先生
(広島国際大学総合リハビリテーション学部リハビリテーション学科言語聴覚療法学専攻准教授)
座長 : 杉下 周平先生 (高砂市民病院 リハビリテーション科・川崎医療福祉大学 医療技術学部 感覚矯正科)
講演内容 :
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嚥下訓練に電気刺激を加えるコンビネーションセラピーが注目されている。従来の嚥下訓練を単独で行うよりも、神経筋電気刺激(NMES)を併用した方が嚥下治療の効果が高いとする報告が増えている。メタ解析においても、NMESは有用な治療法になる可能性が示されている(Tan C et al, 2013)。筋の随意収縮はサイズの原理により遅筋線維から速筋線維の順に生じるが、電気刺激を行うと速筋線維から収縮することが分かっている。咽頭期に作用する舌骨上筋群は速筋線維の割合が多いため、電気刺激と嚥下運動を併用することで効率良く筋力強化できる可能性がある。
本邦においては、嚥下反射誘発を目的とした干渉波電気刺激装置(ジェントルスティム)が開発されている。嚥下反射の異常により嚥下障害を来たす症例は多く、冷圧刺激などの感覚刺激を用いた促通訓練が適用されるが、長期効果はなく根本的な治療法は確立されていない。ジェントルスティムは、嚥下反射誘発に関連する上喉頭神経を標的とした電気刺激であり、嚥下反射の惹起遅延や不全症例に対する新たな治療法として期待されている。NMESに比べ痛みや不快感がなく、患者に導入しやすいことも特徴である。NMESは嚥下の運動レベル、ジェントルスティムは感覚レベルにアプローチしており、両者が対象とする病態や治療目的は異なる。これまでの研究から、健常者において刺激中の嚥下回数が増加することや、嚥下障害患者の嚥下運動が短縮することなどが報告されている(Furuta T et al, 2012; Sugishita S et al, 2015)。
近年、ニューロモデュレーションの可能性としてTMS、tDCSなどの非侵襲的脳刺激法を用いた嚥下訓練も紹介されている。STの嚥下訓練に電気刺激をアドオンすることで、より効果的なアプローチができるのであればぜひ臨床活用したい方法である。

共催 : カレイド株式会社・株式会社フードケア

6月24日(土) 12:20〜13:20

ランチョンセミナー6 200名(予定)
演題 : 言語聴覚士のための栄養学
演者 : 栢下 淳 先生
(県立広島大学 教授)
座長 : 木佐 俊郎 先生 (島根大学医学部リハビリテーション部 医師)
講演内容 :
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言語聴覚士は、嚥下機能の低下した高齢の患者に間接訓練や直接訓練を実施し、リハビリテーションを実施しているが、低栄養の患者では効果が出にくい。その原因を述べる。
高齢者は、嚥下筋力の低下、唾液分泌の低下、脳血管疾患による麻痺などが原因で、嚥下機能が低下しやすい。咀嚼機能が低下すると軟らかい食事を選択する機会が増える。軟らかい食品とは、水分を多く含む食品であり、単位重量当たりの栄養量は低い。日本人の主食であるごはんと全粥を比較すると、ごはん100gには、エネルギー168kcal、たんぱく質2.5gを有するが、全粥では、エネルギー71kcal、たんぱく質1.1gである。毎食、茶碗1杯(150g)を摂取すると、ごはんの場合、1日当たり750kcal、たんぱく質12g摂取できるが、全粥では330kcal、たんぱく質6gであり、摂取栄養量が大きく異なることがわかる。食事からの栄養摂取量が少ないと、体内の脂肪やたんぱく質(筋肉)を分解し、必要なエネルギーを産生するため、体重減少が起こり、前後して血液に含まれるたんぱく質(アルブミン)が減少する。体重減少している患者や血中アルブミン濃度が低い患者に筋肉をつけるためのリハビリを行っても効果は限定される。またこのような患者に積極的にリハビリを行うとエネルギー消費量が増えるため、栄養状態がさらに悪くなる可能性もある。栄養状態の悪い患者では、数年後の生存率は著しく低い。 最近の研究では、高齢者のたんぱく質代謝は若年者と異なり、同量のたんぱく質を摂取しても、高齢者では若年者ほど筋たんぱく質の合成に利用されないため(1)、積極的にたんぱく質を摂取することが勧められている。
少し高めのBMIの高齢者は、5年間生存率が高いことも報告(2)されている。つまり、軟らかい食品を日常的に摂取している患者をリハビリ行う際には、栄養状態には注意する必要がある。

(1)Breen L and Philips SM Nutr Metab (Lond). 8 2011
(2)日本人の食事摂取基準2015(厚生労働省)

共催 : ヘルシーフード株式会社
ランチョンセミナー7 200名(予定)
演題 : 喉頭摘出後の音声再建と永久気管孔の管理
演者 : 福原 隆宏 先生
(鳥取大学耳鼻咽喉・頭頸部外科)
前田 佳声 先生
(鳥取大学医学部附属病院 病棟8階B 看護師)
座長 : 柴本 勇 先生 (聖隷クリストファー大学リハビリテーション学部言語聴覚学科教授)
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喉頭は発声や嚥下など非常に重要な機能を持ち、言語聴覚士にとっては避けて通れない臓器であると思います。しかし、その機能や解剖は複雑です。
当セミナーでは、初めに咽頭・喉頭の解剖を解説し、喉頭摘出術の概要と解剖の変化をお話しします。また、気管切開孔と永久気管孔の役割の違いと、その管理方法についてお話しします。
更に、気管切開孔がある場合の発声、喉頭摘出後の代替音声についてお話しする予定です。
概要
1.咽喉頭の解剖とその役割。
2.気管切開術と喉頭摘出術。
3.気管切開術と喉頭摘出術の手術適応は?
4.気管切開孔と永久気管孔の管理に関する留意点。
5.カニューレ選択について。
6.声はどうなるか?
7.気管切開患者の発声について。
8.永久気管孔患者の代替音声について。
9.気管孔管理の実際(病棟看護師より)

共催 : 株式会社アトスメディカルジャパン
ランチョンセミナー8 200名(予定)
演題 : 多種多様な嚥下訓練法の効果と必要性を話す。
演者 : 平 健蔵先生
(醫療法人齊和會 北広島町豊平病院 言語聴覚士)
児嶋 吉功先生
(錦海リハビリテーション病院 リハビリテーション技術部 言語聴覚士)
座長 : 狩谷 明美 先生 (県立広島大学保健福祉学部看護学科老年看護学 准教授)
講演内容 :
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私たちは食べ物を食べるとき、何気に適量を箸などでつかみ、口腔へ運び、取り込み、咀嚼して飲み込んでいる。固形物や水分などいちいち考えなくても自動で口腔内処理をする素晴らしい機能をもっている。これには口腔の感覚プラス口唇、頬、舌、歯など器質的、機能的な役割は大きいと考えられる。体表面積からすると極めて狭い領域の口腔が、なぜこれほどまでに活躍するのか?それは生命維持のために、食物を効率よく栄養に変えていく進化過程まで考える必要があるだろう。
人間の赤ちゃんはお乳を吸い、離乳食、そして普通の食事へと体、脳の発達とともに変化していく。そして高齢になると体、脳の変化とともに、フイルムを巻き戻すがごとく同じ道を引き返していく。それに対して様々な評価、訓練が先人たちの努力のおかげで成果を上げている。
その中でもSTが日常的に関わる構音障害、嚥下障害において、「呼吸」に対するリハビリは重要なものとなってくる。構音面においては、発話の動力源であり、嚥下面では、嚥下性無呼吸、咳嗽時に大きな影響を及ぼす。
「嚥下」と「呼吸」にフォーカスを当てた時、リハビリとしての呼吸訓練は嚥下に好影響を与えるとされてきた。特に, 嚥下におけるリスク管理として,咽頭残留や誤嚥した場合の喀出機能向上を目指すことが必要となる。
近年では,咳嗽能力向上を目的とした器具を用いての呼気筋トレーニング(expiratory muscle strength training;EMST)も使われだしている。しかし、臨床現場においては、上記の様に特別な機器が必要となることから、訓練導入には敷居が高いのが現状である。その点から、簡易的であり、多くの人が慣れ親しんでいる「吹き戻し」をリハビリに導入した。この度は、その訓練効果と共に、利用者の反応含めて紹介することとする。

共催 : 株式会社ルピナス
ランチョンセミナー9 200名(予定)
演題 : 新しい咀嚼機能評価法の臨床応用
演者 : 菊谷 武先生
(日本歯科大学 口腔リハビリテーション多摩クリニック)
座長 : 稲本 陽子先生 (藤田保健衛生大学)
講演内容 :
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人口動態調査によると食物による窒息事故は年間約5000人にもおよぶといい、年々増加している。同様に高齢者において多いとされる交通事故はこの20年で半減していることから考えるとよりその問題が浮き彫りになる。また、原因食品をみると第1位の餅と一時期話題になったカップゼリーを除くと普段我々が食べている「ごはん」「パン」「肉」「野菜」が多くを占め、特別な食品でないことがわかる。窒息事故は、ひとの咽頭の構造を原因とした避けることができない事故ともいわれている。一方で、咽頭機能にのみその原因を負わせることはできないと考えられ、咀嚼の問題や食行動の問題も原因となるのは明らかである。国民の健康意識の増進により多くの歯を持つ高齢者が増加し、咬合支持を失っている者の数は減少している。一方で、障害を抱えながら地域で暮らす高齢者の多くは口腔器官の運動障害を有し、その数は増加の一途にある。咀嚼器官の運動障害に伴う咀嚼障害は、その原因によっては改善が不可能であるため、咀嚼機能に合わせた食形態の指導が窒息予防や低栄養の予防の観点から重要である。
わたしたちは、プロセスリード®(大塚製薬工場製)をもちい、摂食場面の観察による咀嚼運動の観察と咽頭部に流入する食塊の性状を比較することで、日常臨床に応用できる咀嚼機能評価法を提案し実施している。本セミナーでは、摂食場面の観察の重要性と新しい咀嚼機能評価法について紹介する。

共催 : 株式会社大塚製薬工場